夫が拒否することでセックスレスになっている場合に妻の側から話し合いを持ち掛けるのが難しいケースもあります。過去にはぐらかされたり、喧嘩になってしまったりといった経験があると余計に言い出しにくいものです。
そんなときはセックスレスを解決しようという考えを一度捨て、お互いが感謝の気持ちを持つことに注力してください。感謝によってセックスの誘いに応じやすくなるということが研究からも分かっているのです。
セックスに応じたい気持ち(SCS)

パートナーの性的ニーズに応えようとする動機づけの程度のことを「SCS(Sexual Communal Strength)」と呼びます。
セックスの誘いにどれくらい応えたいと思うかの指標と言い換えることもできます。
夫婦の双方が高いSCSを持つことは関係を維持するうえでもセックスレスを防止するうえでも重要です。
感謝がSCSを高める
このSCSが感謝の気持ちとどのように関係するかを調べたノースカロライナ大学の実験があります。
実験では参加者に最近の出来事について記述してもらったのですがグループごとに以下の条件が割り当てられました。
- パートナーに感謝の気持ちを持ったときのことについて書く
- パートナーから感謝の気持ちを表現されたときのことについて書く
- 自分が体験した楽しかった出来事を書く
その後にさきほど説明したSCSの程度を調べるアンケートにも回答してもらいました。
するとパートナーに感謝の気持ちを持ったときのことについて書いたグループと、感謝の気持ちを表現されたときのことについて書いたグループの人はSCSが高まることが分かったのです。
感謝の気持ちがパートナーの価値を再認識させる
感謝の気持ちは相手の価値を再認識させその関係を維持する動機を高める働きがあるとされています。
感謝を表現することでパートナーとの関係を維持しようとするモチベーションも高まります。それが相手の性的ニーズに応えようという欲求にもつながるのです。
感謝を受け取るとやりがいが生まれる
人は感謝の表現を受け取ることでその体験にやりがいを感じます。人はやりがいを作ってくれる相手を好きになる傾向があります。
すると相手が重要と考えているであろうニーズを満たしてあげたいという欲求も高まるのです。当然セックスの誘いというのは相手にとって重要なニーズです。
つまり感謝の気持ちを伝えることも受け取ることも相手からのセックスの誘いに応じようという欲求を高めてくれるということです。

夫に拒否されてセックスレスになっているという人は感謝の気持ちを伝える機会を増やしてみてください。
参考にした論文:Gratitude Increases the Motivation to Fulfill a Partner’s Sexual Needs.