妻から誘うと夫が驚く理由は性的過少知覚バイアス

夫の心理

あなたが夫と付き合い始めたばかりのころ夫はあなたを強く求めていました。そしてそれにあなたが激しく呼応することに疑問を持ちませんでした。

しかし付き合いが長くなるにつれて求めてくることは減り、あなたから求めると「そんなにしたいの?」と驚いた反応をするようになっている……。

こうなってしまった原因は性的なバイアスの変化にあるかもしれません。

性的過大知覚バイアスと性的過少知覚バイアス

性的過大知覚バイアス

異性のセックスに対する欲求を過大に評価する偏見を性的過大知覚バイアス(以下過大バイアス)といいます。

簡単にいうと「あの子はセックスしたいと思ってるに違いない」と勘違いする傾向です。

これとは反対に異性のセックスに対する欲求を過少に評価することを性的過少知覚バイアス(以下過少バイアス)といいます。

子孫を残すチャンスを逃さないために男は勘違いする

男性はセックスのチャンスを逃したくないと思っています。そのため「相手はセックスしたいはず」と考えるほうが積極的になれるので子孫繁栄に有利です。

女性は妊娠させられてから捨てられるリスクを負いたくないと思っています。そのため「相手はセックスしたくないはず」と考え消極的でいるほうが安全です。

つまり過大バイアスは男性に多く、過少バイアスは女性に多いということです。このことは複数の実験によって証明されています。

妻はそれほどセックスをしたくないはず

ではなぜ妻からセックスに誘ったときに夫は驚いたり引いてしまうことがあるのでしょうか?

男性に過大バイアスが起こりやすいのであれば妻の性欲を実際よりも高く見積もるはずですから驚くことはないはずです。

実は時間の経過や二人の関係性の変化により男性も過少バイアスが強くなる可能性があるのです。

そのため「妻はそれほどセックスをしたくないはず」という思い込みを持ってしまうので誘われたときに驚いてしまうということです。

バイアスの変化

男性に過大バイアスが多いという実験結果があると説明しましたが、これらの実験はほとんどが初対面同士の男女に会話をさせたり、見知らぬ異性のビデオを見せて判断させるという形式で行われたものが多いのです。

一方でトロント大学などが結婚や同棲しているカップルも対象として行った実験では夫は妻の性欲を実際よりも低く評価していることが分かっています。

この実験では101組のカップルに21日間にわたり「自分の性欲の強さはどれくらいか?」「相手の性欲の強さはどれくらいと思うか?」ということを記録してもらいました。

すると男性は女性の性欲を正しく予測できずに実際よりも低いと思い込んでいる傾向があったのです。女性にも多少この傾向は見られましたが男性ほど強くはありませんでした。

つまり男性は出会ったばかりの時期は過大バイアスが出やすいですが、長く一緒にいると過少バイアスが出やすくなるということです。

拒絶されることを恐れている

そもそもなぜ過少バイアスを持ってしまうのでしょうか?

さきほどのトロント大学の実験では自分と相手の性欲の評価以外に「パートナーに拒絶されたくないという思いはどれくらいか?」ということも記録してもらっています。

すべての記録を分析したところパートナーに拒絶されたくないという思いが強い日ほど過少バイアスが出やすいことが判明しました。

なぜこのようなことになるかというと拒絶されて傷つくことを避けようとするからと考えられます。そのために「妻はそれほどしたくないはずだから誘うのはやめよう」と思うことで行動を抑制するのです。

自分から誘ったときに夫から「そんなにしたいの?」と言われると蔑まれたような気持ちになるかもしれません。しかし夫は本当に驚いてそう言っているだけの可能性もあるということです。

それに男性も気分によってセックスへの渇望は変化しますから断られたとしてもタイミングが合わなかっただけと受け止め深く考えないことです。

参考にした論文:Not in the Mood? Men Under- (Not Over-) Perceive Their Partner’s Sexual Desire in Established Intimate Relationships.

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