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妊娠中は夫婦ともにセックスしたくないがオナニーはしたい

1人目の子供の妊娠をきっかけにセックスレスになることもあります。夫も妻もセックスしたいという欲求が落ちやすいからです。

しかしオナニーをしたいという欲求に変化は生じないようです。

<関連記事>妊娠中のセックスレスは性欲の変化の不一致が原因かもしれない

妊娠中の妻と夫の性欲の変化

ミシガン大学の研究者たちが初めての子供を妊娠中の29組のカップルを対象に性欲についての調査を行いました。

妊娠期間の2週間ごとに「Sexual Desire Inventory-2 (SDI-2)」という性欲に関する質問票に回答してもらいました。

この質問票は「パートナーと性行為をしたいという欲求はどのくらい強いですか」や「一人で性行為をしたいという欲求はどのくらい強いですか」といった項目によって構成されています。これにより性欲をセックスしたい欲求とオナニーしたい欲求を分けて考えることができます。

すべての期間の回答を分析したところ面白いことが分かりました。妻も夫も妊娠期間が進むにつれてセックスしたいという欲求が低下しましたがオナニーしたいという欲求は変化しなかったのです。

セックスとオナニーに対する欲求のグラフ

なぜセックスとオナニーへの欲求は異なるのか?

妊娠中にセックスへの欲求は下がるのにオナニーへの欲求が変化しないのはなぜでしょうか?

この違いはテストステロンの変化によるものと推測できます。

テストステロン値の変化

実はこの実験では性欲だけではなくテストステロン値も測定していました。それによると妊娠が進むにつれ妻だけではなく夫のテストステロン値も変化していました。

ただし妻のテストステロン値は増加していましたが夫は減少していました。それでも双方に同じ性欲の変化が生じていたのです。

不思議な感じがするかもしれませんが男女がセックスに求めるものの違いを考えると一つの仮説が立てられます。

セックスに求めるものの男女差

女性はセックスに興奮だけではなく愛情やつながりを求める傾向があるといわれています。

好きな人と抱き合いたいとか親密になりたいという気持ちがセックスにつながります。

しかしテストステロンが増えると攻撃性が増しますからこういった気持ちが弱まりセックスしたいという欲求も減ると考えられます。

それに対して男性はセックスに興奮を求めることが多いです。

テストステロンによって攻撃性が高まっているときはより興奮を求めますからセックスしたいという欲求も強くなります。反対にテストステロンが減少すればセックスへの欲求も減るということです。

もちろん男女ともに出産や子育てのことで頭がいっぱいになるのでセックスどころではなくなっていたり、妊娠中の体調を考え妻も夫も控えるようになっている可能性も考えられます。

なぜオナニーへの欲求は変化しないのか?

またオナニーに対する欲求はなぜ変化しないのかということですが、明確な理由は不明ですが手っ取り早く気持ちよさを得るための手段と考えているためテストステロンの影響をあまり受けないからかもしれません。

性欲の変化は個人差あり

妊娠と性欲の関係、テストステロンと性欲の関係については今回紹介した実験と異なる結果のものもあります。

例えば性欲低下に悩む女性にテストステロンを投与することで回復したというデータも存在します。つまり妊娠やそれに伴うテストステロンの変化がどのような影響を与えるかは人によって異なる可能性があるということです。

また今回の実験からも分かる通りセックスとオナニーに対する性欲は全く同じものではありません。性欲は複雑なものです。

妊娠中にセックスしなくなったのに夫がこっそり一人でしているからといってあなたに対する性欲が失われたわけではないのです。

参考にした論文:Changes in prenatal testosterone and sexual desire in expectant couples.