男女の性欲には違いがあるとされています。
男性はいつでもムラムラしていてカワイイ子なら誰とでもセックスできるけど、女性は心を許した相手でなければそういう気分にならないなどといわれます。
実はこのようなこと以外にも性欲には男女差があるのです。そしてそれがセックスをしたいという欲求にも影響します。
性欲の「強さ」と「種類」の違い
性欲の違いというときその強さにばかり注目しがちです。つまりエッチしたい気持ちの強さで考えるということです。
しかし忘れてはいけないのが性欲の種類です。性癖ほどには幅広くはありませんが種類があるのです。
分かりやすくいうなら「ムラムラしたときにどんなことをしたいのか?」ということです。
これは必ずしも性器に触れたり繋がったりオーガズムに達したりすることとは限りません。
セックスという行動を通じて相手を喜ばせたい、より身近に感じたい、親密さや愛情を感じたいという欲求を表す場合もあります。
食欲でも空腹かどうかと何を食べたいかが違うのと同じように、性欲にもこういった違いが存在します。
そしてこれらの性欲の種類の違いがカップル間の性欲の強さにも影響するとされています。
交際期間3年以上の同棲カップルの調査
ムラムラしたときに何をしたいかの男女差を調べた研究は少ないのですが、ケンタッキー大学のクリステン・マーク博士らが200組以上のカップルを対象に行った研究が参考になります。
この調査のポイントは調査対象を交際期間が3年以上で一緒に住んでいる夫婦や恋人同士に限定したことです。
一般に情熱的でドキドキした愛情は2.5年で減少し、それからは愛着の結合による伴侶的な愛情へと移行するといわれているからです。
セックスレスになりやすいのもこのような穏やか愛情に移行したときですからとても参考になるデータといえます。
この調査では性的な気分になったときに相手とどんなことをしたいと思うかを16項目の選択肢から選んでもらいました。
項目には「触れたい」「オーガズムに達したい」「興奮したい」「親密になりたい」などが含まれていました。
性欲の種類の違いは男女の性欲に影響を与える
全ての回答を分析したところ、性欲の種類には男女差があることが分かりました。
男性が最も支持したのは「パートナーを喜ばせたい」ということでした。次いで「快楽」でした。
女性が最も支持したのは「親密さ」で次いで「性的に好ましいと感じられること」でした。
他にも「オーガズム」「性の解放」などは男性ほど有意に強く望むことが分かりました。
そしてこれら性欲の種類の不一致は男女の性欲に影響を与えることも分かりました。不一致が大きいカップルのほうが性欲が低かったのです。
ちなみに過去30日以内にセックスをしたというカップルは約88%いました。長年一緒にいてもほとんどのカップルがレスにはなっていないということです。
アメリカの研究なので日本とは単純比較できないですけどね。この手の調査に一緒に参加するという決定ができる時点でレスにはなりにくいカップルの可能性も高いです。
女性がエロいと男性もムラムラしやすい?
今回の研究では説明されていませんが性欲の種類の違いが大きいと性欲が落ちる理由はセックスに満足できないからだと思います。
お互いがムラムラしてセックスをしても求めていた内容と違うと満足できません。
そしてそういったことが続けばセックスが不満なものとなり性欲も低下してしまうのです。
こうならないためにも相手のモチベーションだけではなく何を求めているのかも気にする習慣を持つと良いかもしれません。
男性は女性を喜ばせたいと思っている人が多いことが分かりましたから、満足している様子を見せることからはじめてみてはいかがでしょうか?
ちなみに違いが大きいほうが男性の性欲が高まるパターンもありました。それは女性のほうが「性の解放」「接触」「興奮」を求めるレベルが高いときです。
つまり女性がエロいと男性もムラムラしやすいということなのかもしれません。
他の研究では妻から求められていると感じたとき男性はその気になりやすいことも分かっています。
参考文献:Kristen Mark, Debby Herbenick, et al. (2014). The Object of Sexual Desire: Examining the“What”in“What Do You Desire?”